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自閉症の僕が飛びはねる理由/ The Reason I Jump (2007/2013)

まだ読んでないのだけどこれは書かなくてはいけない。本の紹介はamazonのリンクに譲るとして、この訳書が英語圏でどれだけ広まっているかについて。自閉症の僕が跳びはねる理由―会話のできない中学生がつづる内なる心作者: 東田直樹出版社/メーカー: エスコ…

Zadie Smith, NW (2012)

http://www.amazon.co.jp/NW-Zadie-Smith/dp/0141036591 If you have not lived in London the impression you get from this novel will be very different from those held by Londoners. Even if you do not live in NW (postcode for Northwest London),…

大江健三郎『万延元年のフットボール』(1967)

おっそろしい本。これのまともなレビューが書けるようになるにはあと3回は読まないといけない。四国の山村出身の兄弟を主人公とする。彼らの曽祖父の弟が率いたとされる万延元(1860)年の農民一揆と、村に帰ってきた兄弟のうち弟が仕掛ける暴動、という2つの…

藻谷浩介・NHK広島取材班チーム『里山資本主義』(2013)

資源高に伴う貿易赤字への転落、高齢化・生産年齢人口の現象に伴うデフレ、実体経済の成長が頭打ち、といった日本の置かれた諸状況に対処する方法として、藻谷とNHK広島取材班のチームが提唱するのは、言わば資本主義のゲームを半分降りるアプローチである。…

松浦寿輝「半島」(2004)

最初の二行を読んで、何これ、保坂和志?と思った。ぐねぐねといつまでも終わらない文章で、ただ保坂よりも妙に思弁的でとっつきにくい。軽い口調で切りもみ下降して意外な着地点に至る保坂節の小気味良さはない。とは言え、最初の数ページを過ぎると一文の…

辻原登「村の名前」(1990)

日本の商社の男が畳の材料の藺草を求めて中国の湖南省長沙から山奥へ入って行く。貿易公団の男に連れられて行った桃花源村では共産党の論理が昔からの共同体の上に乗っかり二層構造を成している。北京語の世界と村の言葉の世界。じりじりした暑さ、何かがお…

真山仁『ベイジン』(2008)

山崎豊子の小説に似すぎていて、彼女の『大地の子』を超えているかと問われると疑わしいが、21世紀初頭の中国を描いた点で独自の価値はある。ただ山崎豊子を超えるためには、彼女の描いた時代の中国にはなかった超格差社会のコントラストをもっと明示すべき…

今年読んだ本のベスト5

今年読んだ本のベスト5を選んでみる。5. ティナ・シーリグ『20歳のときに知っておきたかったこと』 逆張りしながら生きることをこの本から学んだ。この間した留学後の就活の話はかなりこれに影響されてる。文章のうまさとか本としての完成度は別にして(そも…

ダニエル・ピンク『フリーエージェント社会の到来』

フリーエージェント社会の到来―「雇われない生き方」は何を変えるか作者: ダニエルピンク,Daniel H. Pink,池村千秋出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2002/04メディア: 単行本購入: 22人 クリック: 515回この商品を含むブログ (121件) を見るフリーエ…

猪木武徳『大学の反省』

これは素晴らしい本。[rakuten:book:13170957:detail] 本書で強調したかったことは次の三点に要約することができる。 第一に、現代の日本の大学(とくに研究大学)は、専門職の教育、そして研究活動に多大なエネルギーを注いでいる。教養教育は単なる装飾品…

【宣伝】日本語は亡びるのか

中学高校以来仲の良い友人が、坂上秋成という名前でユリイカの2月号に批評をのっけています。水村美苗の『日本語が亡びるとき』への返答らしいです。彼のブログの紹介記事はこちら。 なんか一冊丸ごと水村本への応答がならんでいるようで、読んでみたいので…

「日本語が亡びるとき」を読みました

課題がまだ終わってないのに読んでしまいました。(ちょっと課題に使えたりもしました)日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で作者: 水村美苗出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/11/05メディア: 単行本購入: 169人 クリック: 12,657回この商品を含むブロ…

日本語が亡びるとき

日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で作者: 水村美苗出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/11/05メディア: 単行本購入: 169人 クリック: 12,657回この商品を含むブログ (459件) を見る次に時間を作って読む本。水村美苗は前にも紹介しましたが、マジで素晴…

睡眠時間、パソコン、選挙、軍縮

日本にいるときからは考えられないくらい睡眠時間が短いです。意外と人間って丈夫にできています。眠くなってリーディングができなくなるとメールをチェックしたりブログを更新したりコーヒーを飲んだり洗濯をしたりして、自分が眠気を覚えていたことを忘れ…

どうやってエッジをきかせるか(続)ーフリードマンの講演@MIT

2個前のエントリで書いたことの一部とだいたい同じことを彼も言ってます。二つの全く違うフィールドを身につけ、それをぶっつけるんだ、と。それから、最後のGREENという言葉を定義し直すというところもすばらしいと思います。このブログで今まで紹介してき…

北朝鮮:ゆるやかな変革

北朝鮮 ゆるやかな変革作者: グリンフォード出版社/メーカー: 第一法規株式会社発売日: 2008/07/18メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見るNorth Korea on the Brink: Struggle for Survival作者: Glyn Ford,Soyoung Kwon,Gareth Evans出版社/メ…

セネカ『人生の短さについて』

生の短さについて 他2篇 (岩波文庫)作者: セネカ,大西英文出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2010/03/17メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 39回この商品を含むブログ (88件) を見る『諸君は永久に生きられるかのように生きている。諸君の弱さが諸君の念頭に…

The Bottom Billion[再改訂]

昨晩学科の後輩のMと一緒に飯を食ったときと、今日の昼サークルの同期のRと飯を食ったときに、共通して「途上国が貧困から抜け出すことができるかどうかを決定する要素は何か」という僕の周りでは非常によく聞かれるテーマが話題に上りました。そのときの話…

『本を読む本』

本を読む本 (講談社学術文庫)作者: J・モーティマー・アドラー,V・チャールズ・ドーレン,外山滋比古,槇未知子出版社/メーカー: 講談社発売日: 1997/10/09メディア: 文庫購入: 66人 クリック: 447回この商品を含むブログ (322件) を見るこれはいい本です。194…

水村美苗『本格小説』

本格小説 上作者: 水村美苗出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2002/09/01メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 26回この商品を含むブログ (40件) を見る最近読んだ本の中で一番のヒット。タイトル負けしない傑作だとおもう。文章の完成度がきわめて高いし、ス…

知的生産について、続き

「知」のソフトウェア (講談社現代新書)作者: 立花隆出版社/メーカー: 講談社発売日: 1984/03/19メディア: 新書購入: 12人 クリック: 125回この商品を含むブログ (87件) を見る立花隆。梅棹の京大式カードを真っ向から否定。立花の意見は茂木健一郎に通じる…

八丈島で読んだ本など

知的生産の技術 (岩波新書)作者: 梅棹忠夫出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1969/07/21メディア: 新書購入: 34人 クリック: 460回この商品を含むブログ (299件) を見る初版は1969年。俺が持ってるのは2003年発行、第73刷。名作は古くならない。お勧めです。…

DPRK

久しぶりにDPRK関連の本を読んでます。北朝鮮「偉大な愛」の幻 上巻作者: ブラッドレー・マーティン,朝倉和子出版社/メーカー: 青灯社発売日: 2007/04/02メディア: ハードカバー購入: 14人 クリック: 577回この商品を含むブログ (3件) を見る北朝鮮「偉大な…

最近気になること

ちょっと横着して箇条書きで。・ジンバブエの大統領選の結果。木曜日に投票があって、野党側は勝利宣言を出している。ムガベが退陣したらすごい変化がこの国に訪れそうだが、そう簡単にいくだろうか。・idealist.orgというウェブサイト。インターンとか探せ…