「日本語が亡びるとき」を読みました

課題がまだ終わってないのに読んでしまいました。(ちょっと課題に使えたりもしました)

日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で

日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で

くどくてすいません。でも本当に読む価値のある本です。とくにアメリカの大学院に在学しながら、英語の論文に囲まれながら息抜きに読むと本当に身につまされます。泣けてきます。実際図書館で読んでてちょっと涙ぐんでしまい恥ずかしかったです。息抜きどころじゃありません。もちろんどこで何をしていようと日本語を読む人なら間違いなくお勧めです。

中世の学者がヨーロッパのどこに住んでいようとラテン語で書いたように、英語が学問上の普遍語として君臨する、そして君臨しつづける未来がすぐそこまで来ていますよ、どうしますか、日本(および日本文学)やばいですよ、という話です。

第五章に、Google Book Search Library Projectに関して言葉の問題を提起するくだりがあるのですが、そこでRoomToReadというNPOを思い出しました。

マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった

マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった

マイクロソフトをやめたアメリカ人の社会起業家が始めた、ネパールをはじめとする途上国の学校に本を届けよう!というプロジェクトなのですが、これこそまさに英語の普遍語たる力を感じさせます。筆者の言葉を借りれば、「英語を<母語>とする書き手の底なしの無邪気さと鈍感さ」。

(追記:RoomToReadは現地語の本の寄付もやっています。ただしその量は、英語の本に比べると圧倒的に少ない。まあ現地の出版事情が追いついてないのも大きいと思いますが)


僕が最も身につまされた/印象に残ったのは、254-5ページと271-7ページでした。こんなもったいぶった書き方をするのはブログで本の中身を先に知ってしまうのが個人的に嫌いなことと、やっぱりこの記事を読んだ人に読んでもらいたいからです。

今年の最重要文献です。卒論やってる場合じゃありませんよ(笑)。

ちなみに、この本、日本で話題になってるんですかね?