Carne Ross

俺が一番話を聞いてみたいと思っていたIndependent
Diplomat
の代表、Carne RossがFletcherに来ました。これまで参加した中で一番面白いトークでした。ランチセミナーだったのでメモを取れなかったのですが思い出せる限り備忘録を以下に。

多くの外交官は国からの指示と自分の立場のギャップに辟易している。あるロシアの外交官は安保理でイラン問題の交渉をしていたとき、休憩時間に煙草を吸いに出ると「いやもうまったくゴミだよな。これ見てくれよ」といって本国からの指示を見せてきた。

国連機関、国際機関に対してものすごく批判的。結局政治的停滞が長引くことが彼らの利益(Luttwakの議論と同じ!)。民族間対話を促進するNGOについても。コソボではアルバニア人セルビア人の対話を促進するNGOがそれぞれどの村に行くかを調整する会議が開かれていた。全く無意味。政治的合意が先になくては問題は絶対に解決しない。

気候変動交渉は人類の歴史の中でも最も複雑な交渉。イギリス外務省はこの交渉に60人の専属スタッフを置いている。他機関を含めると200から300人が取り組んでいる。モルジブ人外交官ひとりにできるわけがない!島嶼国連合のアドバイザリーもやっているが、本当は60人のスタッフをIDで雇って交渉の支援にあたらせたい。しかし気候変動に興味を持っている財団もこういうのにはお金を出さない。

Q. 外交官のトレーニングはしないのか?
A. やっていない。IDをつくるときにアドバイスを与えることを趣旨として立ち上げた。それに集中する。また、外交官のトレーニングという存在自体が彼らのアカウンタビリティの欠如という問題の一因だと思っている。

Q. あなたは公的機関の交渉に否定的だが、IDの仕事は結局そこのチャネルに依存しているのではないか?トラック1の重要性が下がるとIDの仕事はどんどんやりにくくなるのでは?
A. トラック1とトラック2の境界はどんどんあいまいになってきている。確かにどうやって効果的にトラック1で交渉ができるかのアドバイスをしているが、(あと忘れた)

Q.これから外交の世界はどうなるのか?
A. アナーキーになると思う。必ずしもカオスになるとは思わないが、ここのアクターがそれぞれに複雑な動きをする、それの総体が外交の姿になると思う。個々人の動きが重要になる。いまでもある程度はそうでしょ。Bill
Gates, George Soros, Rupert Murdoch.別に悪い意味だけじゃなくて。